記事にもできてなかった映画達のショートレビュー
2024年上半期、映画は観たけどブログ記事にできなかった作品を
いつもより軽めのボリュームでさっくり紹介します!!
仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド
2000年代にスタイリッシュな携帯電話型ベルトが話題を呼び
平成仮面ライダーの方向性を決定づけた仮面ライダー555の20周年記念作品
テレビシリーズからの続編であり
当時の携帯電話から最新のスマートフォン併せて進化したファイズやカイザ
すでに死亡したキャラクターが何故か再登場したりとファンの間で話題を呼んだ作品。
当時の主要人物が再び共演する光景は当時のファンとしては嬉しいものがあり
新仮面ライダーミューズを演じた玲奈のキャラクターもとてもかわいく存在感があった。
・バトルシップスタイルの説得力の無さ
・ネクストファイズアクセルの出オチ感
・オルフェノクのちょっとした濡れ場
などやや肩透かし部分があったのも事実。
ファン向けとしては良作と言った出来映え。
哀れなるものたち
主演のエマ・ストーンがアカデミー主演女優賞を受賞した事でも話題を呼んだ作品
魚眼、広角レンズなどを駆使して魅せる独特の世界観が最高
お気に入りは案外踊れるラファロに驚いたダンスシーンと
船の外から見た風景の美しさなど
とにかく衣装や建築物のデザインが素晴らしい
デザインを見るだけでも観に行く価値があると言ってもいい作品
しかし意匠が素晴らしい反面
あまりにも都合の良い娼館がファンタジーすぎる事や
ベラが成長してから行なってきた行為に
欠片も負い目を感じていないのが引っ掛かる
作品自体がモラリスティックである必要はないが
ベラの人間的な成長を描くならば彼女に真摯な部分も描くべきだろう
と、小言は言うもの、その独特な世界観と
漫画『刃牙』級のセックス信仰演出や
ラストシーンにフランクダラボン映画かよ…と衝撃を受け
とにかく魅力があるのは間違いない
しかし思うところはある映画 というのが正直な感想
ボーはおそれている
アリ・アスター監督の作家性が 過去2作よりも濃厚になった印象
次々と起こる事象は衝撃的かつ狂気的で
ツボに入るシーンがあれば楽しい映画だが…
はっきり言ってユダヤ教やヨブ記の知識が無ければ
全く意味が解らない作品
- 肉親が無くなった時は一週間風呂に入ってはいけない
- 偶像崇拝を行う家庭に宿泊してはいけない
- 他宗教の御祈りをしてはいけない
と言ったユダヤ教の戒律など理解していないと全くわからないシーンが多い
要約するとジューイッシュマザーによる減点形式の強制里帰り
というのがこの作品の全容だ。
夢か現実かわからない的な演出が常に付随して
滅茶苦茶な展開がひたすら続くので
展開は目まぐるしい反面
主人公ボーは
・僕はどうすればいい系のこどおじ
・リアクションがいちいち遅い
と、映画の軸となる部分がモタモタしているので
なぜこんな事になっているかわからないまま見ていると
かなりしんどい内容
ボーはあまり好きではないが
全裸の殺人鬼おじさん
ジーヴスの狂った全力ダッシュとか
セラピストのニチャァ感
他の登場人物は存在感があって面白く
そして何よりも『パパ』の存在感…!
アリ・アスター監督は映画にチンコがとにかく出したい!という疑惑を持った映画でした
個人的に推しのシーンは
アパートに街の浮浪者がぞろぞろ入っていくシーンの
蹂躙を予感させる演出と街のスラム感はすごく好き
オッペンハイマー
2024年アカデミー賞を6部門受賞したノーラン監督の話題作
名だたる俳優たちが共演し、共演シーンをみるだけで圧巻
映像の迫力も凄まじく、アカデミー賞を受賞するのも納得の出来栄えだが
テネット、インセプション、インターステラーなど
時間の概念を映画に取り込む事に余念がないノーラン
本作はそれらとまた違った時間遊びが盛り込まれた作品で
3つのタイムラインがザッピングされてやや難解だが
それよりも当時の世界情勢が多少知識にないとストーリーついていくのも難しく
尚且つノーラン映画に慣れていないと堪能するのは難しい映画。
筆者の印象に残ったのは
主人公オッピーよりもRDJ演じる人間らしいストローズだろう
天才対凡人という構図はかの名作「アマデウス」をどこか想起させる。
そしてゲイリー・オールドマン演じるハリー・S・トルーマン大統領だろうか
傲慢で口も悪いが、ただそれだけではない国の代表としての威厳を感じられる演技力は流石だ
アイアンクロー
アメリカの伝説的なプロレスラー フリッツ・フォン・エリックの息子たちの半生を描いた映画
アイアンクローとは彼らが世に知らしめた技である。
あくまで実話ベースで兄弟の人数などは映画用にアレンジされている。
序盤から中盤は父に競い合わされながらも仲の良いエリック兄弟のブラザーシップや
次男とパムの恋愛など見ていてにこやかになる演出が続く半面
父のスパルタ教育、母のネグレクトといった方向性の違う毒親ぶり
プロレスで「華」がある者と無い者の表現など生々しい部分も際立つ作品。
後半からはエリック一家に起こった出来事が描かれるため
陰鬱な内容が否応なく描かれるが
救いは確かにあり、決して胸糞な内容だけではない映画。
またアーロン・ディーン・アイセンバーグが演じるリック・フレアーの存在感は結構凄い
マッドマックス:フュリオサ
カルト的人気を誇る世紀末ムービー「マッドマックス」の最新作
前作「怒りのデスロード」の登場人物フュリオサの過去を描いた前日譚的な作品。
- 章構成
- 禁断の果実、聖書、セフィロトの樹
- タイトルにSAGAが付く
上記の要素から過去作に比べて神話的な要素が強い作品で
クォリティが高いのは間違いなく
俳優たちの世界観を損なわせることなく演じきっている
特に乳首であそこまで遊び倒すクリス・ヘムズワースは
今後どんな映画でも見る事が無いだろう
またアニヤ・テイラー=ジョイの存在感は忘れてはならない。
火炎放射を鉄柵で耐えるシーンがこれほど絵になる女優はそうはいないだろう
ちなみにこのシーンは鍛冶屋神話(ドイツのヴェルンド伝承)が引用元ではないかとされている。
クォリティの高さは間違いないが
シリーズ随一の突っ込み所がある映画というのも正直な感想だ
- 前作程の狂った勢いがない
- サラサラヘアーのフュリオサ
- 吊るされたフュリオサが逃げても気づかない軍団
- キルスイッチをフュリオサが覚えた理由が描かれない
と言った感じに突っ込み所の枚挙に暇がない。
特に気になるのは、幼少期は髪をバッサリ切ってでも逃亡したフュリオサが
謙譲な女とわかれば即慰み者になるのが確実な生活環境で
キューティクルたっぷりのサラサラヘアーを伸ばし続けた事と
ディメンタスに捕まり、吊るしあげられたフュリオサの逃亡を誰も気づかなかった事だろうか?
どっちも流石に無理があると言わざるを得ない。
過去作も突っ込み所はあったが、圧倒的な作品のパワーでそんなものは捻じ伏せてきた。
しかし今作はそのような空気の作品でないため、突っ込み所が浮き彫りになってしまった。
決して悪い作品ではないが前作のハードルは越えられなかった印象。
劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:
人気アニメ、「ぼっち・ざ・ろっく!」の1話から8話を再編集した劇場版作品
1話25分×8話=200分に対して、半分以下の90分にまとめてタイトになったが
無くても問題ないギャグパートをオミットする事によってより
彼女たちが何故バンドをやるのかが強調されかなり見応えがあり
アニメの劇場版総集編作品としてはかなり高いクォリティになっている。
本作は主人公のぼっちちゃんと発起人である虹夏ちゃんにスポットが強めに当たり
お互いに相手がいなければ活路を見出せなかったという
クリードのロッキーとアドニスのような関係性に熱さを感じ
思わず応援したくなってしまう。
本作自体はとても良い作品だったが
敢えて欲を言わせてもらえば
むしろ虹夏ちゃんを主人公にして
ギャグ要素をさらに減らしてれば
もっと素晴らしい映画になったのではないかと思った
上半期単独レビュー記事、動画まとめ
エクスペンダブルズ ニューブラッド
機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド ※動画
マッドマックス:フュリオサ ※動画
劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:
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